素晴らしき旅・毎日が新発見 !!!

これまでマレーシア、インド、ラオス、カンボジア、中国に仕事で20年近く滞在しました。その間にタイ、ベトナム、インドネシア、モルディブ、シンガポールなども訪問しました。それらの国々で体験したり感動したりした素晴らしいことや珍しいことを皆様にご紹介させていただきます。

マレーシア・ドライブ紀行①第1日目(バトパハ)

1994年3月25日(金) 雨のち、午前11時頃から晴れ

 本日の宿泊 バトパハMERRY HOTEL, Room Number 306, RM28(約1,120円) 走行距離268km

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バトパハの街並み

 金子光晴の「マレー蘭印紀行」の中のバトパハのところを読み返した。場所は、そのバトパハのメリーホテルという安宿の一室。一泊28ドル(マレーシアドル=約40円、約1,120円)。

 

やはり現地で読むと実感がある。日本で15~16年前に読んだ時よりも一行一行が心に沁み入って来る。彼がここに来たのが昭和の初めだから、もうかれこれ60年以上も昔の話になり、街も大きく変わってしまっているが、当時の面影を残す建物があちこちに残っている。「地球の歩き方」の中に写っている古い建物を見つけ出した時には、ああ、これか。」と昔からの友人に出会ったような気分になった。

 夕飯は屋台で牡蠣フライを食べ、スターフルーツジュースとオレンジジュースを飲んだ。牡蠣フライといっても日本のとは異なり、油で揚げて、卵と合えてあるだけで、衣はついていない。大中小のうち小(4ドル=160円)を注文したが、その量の多いこと。これだけで腹が一杯になってしまった。

 本の中に出てくる「カユ・アピアピ」(蛍がたくさんとまって明滅し、クリスマスツリーのように見える木)はどこにあるかと思って、宿の主人に聞いたが、「蛍などとっくの昔にいなくなってしまったよ。」と笑われてしまった。確かに60年の歳月は経っていた。

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ポークミ―

 休みになったら、すぐにでも旅行に出ようと思っていたが、なんとなく12日もKL(クアラ・ルンプール)で過ごしてしまった。全くもったいないことをしてしまった。今朝は、目が覚めたら珍しく朝から雨が降っていた。いつもの店でポークミー(豚肉が入った麺)を食べてから10時頃出発。

 

ハイウェーを走るうち、11時頃には雨も上がった。途中まで来て「バトパハ」に寄るか寄るまいかと迷ったが、(注:自分が行こうとしているコースから大分外れてしまうから)結局、寄ることにした。そして、それが正解だった。

 バトパハはジョホール州第2の街だそうだが、観光の面では見るものはあまりなく、観光客もほとんど来ない。夕方、街の中を散歩している時、ある路地で男の人が犬を洗っているのを見た。ただホースを持って上から犬に水をかけているだけなのだが、犬は尻尾を振って喜んでいた。そして、十分に水をかけてもらうと、今度は自分で向きを変えて反対側にも水がかかるようにしていた。洗剤をつけてもらう時も、男の人の手に自分から身体をこすりつけていた。男の人と犬の間に心が通い合っているのがよく分かった。リンゴをかじりながら見とれているうちにいつのまにか薄暗くなっていた。

 夕飯を食べた屋台がたくさんある一角には野良猫がたくさんいた。特に可愛がられているようには見えなかったが、どの猫も堂々と寝そべったり、歩いたりしていた。人間にいじめられていない様子が伝わってきた。観光名所はなくても、こんな街なら何度でも訪れてみたいと思う。

 あと1年のマレーシア滞在中に、きっとまたここに来る予感がする。勿論、あの犬と再会するために、、、、、